ティアムーン帝国物語5 あらすじ(ネタバレ含む)
ティアムーン帝国物語5 あらすじ
エメラルダから招待された夏休みのバカンスは、船遊びに興じるはずが、無人島で遭難してしまう。
王子アベルと共に、行方不明となった公爵令嬢エメラルダを捜索することに。だが、ミーアは知らなかった――島の奥深くには帝国を滅亡へ、ひいては自らを暗殺エンドへと導く「ある秘密」が隠されていることを。
ティアムーン帝国物語5 見どころ
エメラルダ・エトワ・グリーンムーンの魅力
エメラルダは登場時には「高慢で鼻持ちならない貴族令嬢」という印象でしたが、貴族社会の常識やしきたりに縛られており、それゆえ望む望まないに関わらず高慢に振る舞うべきという窮屈な生き方をしていた反面、身分や出自に関係なく自由にふるまうミーア憧れを抱いていました。
エメラルダは知っている。自分は本当は、ミーアの親友などではない。
親友になりたいと、ずっと願っていたけれど……そうはなれなかった。
だって。ミーアのように、自由ではいられないから。
日頃からミーアの親友を自称していても、自身を縛る常識という鎖を断ち切る勇気がない自分にはミーアの親友に相応しくないという諦めと、ミーアを裏切ってしまったという胸の痛みがエメラルダの心に刺さった棘となっていました。
ティアムーン帝国物語の面白いところとして、ミーアの前の時間軸で起きた出来事を今の時間軸の人物が夢の中で追体験して、それが自分の行動に影響を与えている点にあります。
決して本当にあったこととは思えないけれど、でも、胸に残る痛みは本物で。
それが、エメラルダに、ミーアの友と名乗らせることを許さない。
「私は、ミーアさま……あなたを裏切りましたわ」
前の時間軸では帝国で革命がおこった矢先、エメラルダはなかば強制的に親に外国へ連れ出されてしまっていました。しかし当時のミーアはそんな事情は知る由もなくとっとと海外へ逃げた薄情者という感想を抱いてました。
しかしこのエメラルダの告解の言葉を聞いてミーアは「この島から出たら、お茶会に誘ってくださらない?」と赦しを与える言葉をかけることで、果たされることなく、消えた約束を果たす機会を与え、エメラルダの心を癒していきます。
こうして胸につかえたわだかまりが消え、貴族の呪縛から解放されたエメラルダに大きな心情の変化が見られます。洞窟からの脱出の際に、水の中に入らなくてはならない箇所があるからと、泳ぎの経験がないメイドのアンヌをエスコートしたり、自身のメイド・ニーナに名前を呼ばなかった非礼を謝罪したりと一気に可愛くなります。
余談ですが、キースウッドに高慢な主の下で苦労しているのでは?と問われたニーナは、エメラルダの良さをこう語っています。
「そして、時々そういう設定を忘れて、名前を呼びそうになって慌ててるのも、また、趣があってよいのです。ミーア姫殿下のことが大好きで、一緒に遊びたいのに意地になって誘えないのも見ていて微笑ましい。」
エメラルダはどんなに高慢に振舞おうとも、ミーアの親戚らしく小心者だけど善人で、どこかポンコツなところがある憎めない人物です。メイドのニーナも主人の本質を理解しており、その上で頑張って高慢に振舞おうとしているエメラルダを生温かく見守るという主従の形を楽しんで仕えていたのですが、エメラルダが心を入れ替え、名前を呼ぶようになったことに少しがっかりする、というオチも面白かったです。
無人島でのバカンスや遭難から生還する過程で、エメラルダの人間性が深く描写されて、貴族社会の呪縛から解き放たれ自立していく姿を読んでいて、エメラルダの好感度が一気に上がりました。
新たな星持ち公爵令嬢・シュトリナとルヴィ
無人島の出来事でエメラルダを味方につけることに成功し学園に戻ったミーアの前に、4大公爵家の残りの二人が現れます。
一人はシュトリナ・エトワ・イエロームーン。
未来からやってきた孫娘・ミーアベルから友達になったと紹介された少女。Gilseさんの挿し絵から見ても可愛らしい女の子ですが、ルードヴィッヒの調査にて帝国をめぐる陰謀に深くかかわっている可能性が高い家です。イエロームーン家「最古にして最弱の公爵家」と言われていますが、今のところ4大公爵家で蛇に関与している最重要容疑者です。
──こっ、このタイミングでイエロームーン公爵家の令嬢が、わたくしに近づいてくる? どっ、どう考えても怪しすぎますわっ! そもそもなんで、わたくしはこの子のこと知らないんですのっ!? おかしすぎますわ!
前の時間軸を合わせても、ミーアにはシュトリナの記憶がなかった。というよりは……イエロームーン家の関係者の記憶自体が、そもそもとても少ない。 他の四大公爵家の者たちのことは、それなりに印象に残っているというのに……。
ミーアの記憶にもほとんど情報の無い招待府営な感じも不気味なところがありますね。
そしてもう一人はルヴィ・エトワ・レッドムーン。
ルヴィも女性ながら剣術や馬術に長けた少女で、ミーアが馬術の鍛錬に熱心に取り組んでいると聞き、セントノエル学園で行われる馬術大会で決闘を申し込んできます。
話を進めるうちに、狙いは帝国最強の騎士ディオン・アライア・・・ではなく、ミーアの皇女専属近衛隊に所属する大男・バノスを移籍であることが分かり、ミーアは焦りまくります。
とはいえ、人並み以上に馬術も操るルヴィに対して勝ち目も薄く、さらに勝ってもメリットの無い賭け。断りたいが馬術部の部長で恋人アベルの兄貴分のような存在である林馬龍の心証をよくしておきたいミーアは、賭けの対価にルヴィの最も大切なもの「命ほどに重い剣」、すなわち「自らの誇り」を差し出せ申し出る。
ミーアはルヴィの決闘がコレクション感覚の良兵集めと見誤り、ベットを引き上げることで決闘を回避しようとしましたが、ルヴィはその賭けを承諾してしてしまいます。
こうして後に引けなくなったミーアは、馬術大会で雌雄を決することになります。
マッスルマニアというちょっと面白い一面を持つルヴィとバノスの出会いはミーアより古く、ルヴィが幼い頃、暴走した馬から落ちそうになったところを助けられたことがきっかけでした。
決闘をしてまで欲しいものを手に入れるという行動をとらせたのは、夢に見た前の時間軸での出来事がルヴィの魂に刻み込まれていたからです。
初恋の人の行方を探っていたルヴィに突き付けられた、残酷な現実……。 静海の森で起きた紛争、辺境の部族、ルールー族との戦いによって、バノスは死んでいた。
「はじめは、ベルマン子爵の要請でした。しかし、子爵はどうやら、もっと上のほうからの命を受けていたようなのです」 「もっと上……? というと?」 百人隊の生き残りを自称する男は、どこか軽薄な口調で言った。 「皇女、ミーア・ルーナ・ティアムーン殿下が……、その森の木を欲したというのです」
前の時間軸では、バノスの死はベルマン子爵が領土拡大のためにディオンの部隊を無理に戦闘をさせたためであり、ミーアのあずかり知らぬことなのですが、自称生き残りの男はバノスの死をミーアの責任と吹き込む。混沌の蛇が暗躍していることがうかがえる描写です。
決闘の行方とミーアの名裁き
ルヴィの夕兎馬とミーアの月兎馬・荒嵐のマッチレースの最終局面。激しく走る馬上でミーアは限界を迎えます。
「ああ……もう、本気で無理かも、しれませんわ……うっぷ」
その弱々しい声に、ピクリ、と荒嵐の耳が動いた。
わずかな一瞬、荒嵐はチラリ、と顔を横に向けた。 それは、まるで「本当に無理なら止まるけど、どうする?」と、ミーアを気遣うために、振り返ったかのようだった。少なくとも、ミーアにはそう見えた。
荒嵐との訓練の日々を思い出し、自分が泣き言を言っている場合ではないと腹をくくり根性を見せます。
ミーアは、やせ我慢の一言を絞り出す。 「絶対に……、絶対に負けるんじゃ、ありませんわよっ!」
こうして最後に根性を見せたミーアと荒嵐はレースに勝利しますが、レース後に賭けの後処理をするためルヴィと対峙します。
「ルヴィ・エトワ・レッドムーン、約束を守っていただきますわ」
そして賭けの代償である「ルヴィの剣をもらう」はどのような形で行われるのか?
ここは実際に原作を読んで確認してみてください。
「ティアムーン帝国物語5」はイーブックジャパン
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